ちょっと雑学
銀杏(ぎんなん)
銀杏といえば、秋の代名詞
ぎんなん。 「銀杏」と書いて「いちょう」。
深く透きとおったエメラルドグリーンの果肉はもっちりとして、ちょっぴり苦みのある秋の味覚として私たちを楽しませてくれます。
古生代末期から地球上に広く分布していたそうです。
恐竜が絶滅しても、しぶとく生き残り 原爆が落とされた後にもなお芽吹くという このたくましさ。
まさに、”生きた化石”とも呼ばれるだけあります。
中国でも銀杏とよばれ、別名を”鴨脚”と称し(葉の形が鴨の脚に似ているため)日本語のイチョウはこの”鴨脚”(ヤーチャオ)の栄音とか・・・・
銀杏といえば、太古のロマン
英語で ”GINGKO”。皆様よくご存じの雌雄異株(しゆういしゅ)の植物です。
雄木の花粉が、雌木の花に風まかせでたどりつき そこで発育して秋には自由に動ける鞭毛を持ち、受精されて 実を結ぶのです。
その花粉、時には1㎞も離れた雌木に到達することもあるそうです。
なんとも不思議な木です。なんとこの銀杏、雌雄異株というのにも驚きますが、精子で受精することご存知ですか?
海藻やしだ類には精子が認められるようですが、花を咲かせる種子植物である銀杏に精子が存在するというのは当時世界的発見だったようです。
1896年に平瀬作五郎により発見されたそうですが、それによりますと・・・・
裸子植物である銀杏の雌花は胚珠がむきだしになっており そこに受粉液という液体が丸くでていきます。
風で飛ばされたきた雄花の花粉がこれにつき 液とともに花粉室に引き込まれます。
その中で成育し9月上旬、花粉から花粉管が伸びだし精子が泳ぎ出して受精するのだそうです。
中生代の恐竜達が闊歩する頃から、この営みが繰り返されてきたと思えば う~ん。
太古のロマンを感じてしまいます。
神社なんかにみられる樹齢の古い銀杏の大木には なにか畏敬の念を感じずにはいられません。
”神木”としてあがめられてきたのも 何もしらない昔の人々が、そこから何かを感じ取っていたのかもしれません。
銀杏といえば、とにかく・・・臭い
農家から一言言わせてもらえば、臭いなんてものじゃないです。
果肉の腐敗臭なのですが”キョーレツな臭い”なのです。ご存知とは思いますがそれはまるで・・・の臭いなのです。
受精するのはわかったけど、そこまで人間に似なくてもなんて愚痴をいいたくなります。
皮をはぐ作業ではとてもじゃないけど お風呂に入らないと外出できません(レベル4)。
乾燥(レベル3)・選別段階(レベル2)でもまだ臭い。
帰りにお買い物をするのにも気がひけます。
銀杏ひろいの後、電車で帰宅しているあなた、きっと本人が思っているより周りは迷惑していることでしょう。
でも、お手元に届く頃には ほのかに香る自然の芳香となって銀杏好きの皆様の食卓に上ることでしょう(レベル1)
銀杏といえば、銀杏の品種

この銀杏。大きく分けて4品種あります。
店頭で販売されている銀杏は品種が書いてありません。
以下を参考に秋の夜長、酒を片手に「利き酒」ならぬ「利き銀杏」をして
ウンチクを傾けてみてはいかがですか・・・・
金兵衛 | 早生 | 殻のキメが粗く、長円型(殻の先が尖っている)で黄味を帯びている。 早出し銀杏として8月頃より出荷される。 |
久寿(久治) (きゅうじゅ) |
中生 | 殻のキメは細かく白い。円形をしている。又、苦みが少なくモッチリ として食味は最高だが、貯蔵性に欠ける。 |
籐九郎 (とうくろう) |
晩生 | 一番の大型で豊円形をしているのが特徴。殻のキメが細かく白い。 又、殻が薄く割りやすい。品質、食味ともに良好で貯蔵性に優れている。 |
栄神 (えいしん) |
中生 | 他品種に比べて落葉期が遅い。 外観は、籐九郎と金兵衛の中間。籐九郎より小型で金兵衛より殻 のキメが細かい。 又、殻が薄く割りやすい。 外観、食味ともに良好。 |